2018年04月21日

「駿河竹千筋細工」の技法 穴開け

伝統的工芸品「駿河竹千筋細工」の技法を紹介しいています。

昔は、同業の人が入ってくると、親方が弟子に「手を止めろ」 と怒鳴ったそうです。一般の方にも、絶対に見せない、かなり閉鎖的な世界だったようです。

今では、職人さんたちは、和気あいあいと集まって、若手を中心に研修会を開き、それぞれの技術を交換しあうことで、よりよい作品が生まれています。

また、竹細工などの実演や、体験教室も年に数回開かれ、 一般の 方々にも親しまれていますよね。
工程は、大変多く道具も必要です。

前回は、縁曲げでした。
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穴開け。

竹には、曲げる前に、はんこのようなもので、穴開け用の印を付けて おきます。その印を見ながら、ボール盤という機械を使い、1本1本あけています。

作品により、穴を開ける角度を、変えていきます。
微妙な角度の違いで、作品の雰囲気が変わります。

単純な作業なので、自動機械でもできそうに感じますが、作品により、それぞれ輪の大きさがいろいろありますので、自動の機械を作るのは難しいんです。

ボール盤のないころには、「ばい」という、登呂の火お越しのような道具を使っていました。

横棒を上下に動かし、中心の棒を回転させます。
棒の先には、キリがついていて、穴を開けます。

単純な作業なので、自動的に送る道具も、作られました。
丸くした木に歯車のように、金具をつけてあります。
一回あけると一コマずれて、次の穴の位置に来ます。

以前、電気ガサをたくさん作っていた時期があって、自動穴あけ機が発明されたことがありました。うちでは使わなかったのですが、使った職人の中には高価で採算がとれないうちもあったようです。その後電気ガサが売れなくなるとその機械は使い物にならなくなってしまいました。

自動機械というのは、同じ製品をたくさん作るときには効果がありますが、作品により、それぞれ輪の大きさや穴の数が、ちがいますので、全ての作品用に、自動の機械を作るのは難しいです。
ほとんどは、微妙な調節ができる手作業であけています。

穴あけも微妙な角度の違いで作品の雰囲気が変わってきます。楽しい
ですよ。
もちろん気持ちもこもりますし。「この製品は、どんな人が使うのかな?」
と思うと楽しくなってきます。

これからいい機械ができても、きっと補助的に使うだけで、専門に任せることはないと思います。



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